入居工事の設計施工が指定業者で高額な見積もりになった事例

入居工事の設計施工が指定業者で高額な見積もりになった事例

 

オフィス移転に伴い、入居先を自社の望むデザインに改装工事することは普通のことです。入居工事のうち壁に穴を開けたり、照明を移動したりする原状変更を伴う工事をB工事といいますが、ハイグレードビルの場合、B工事の費用も大きくなりがちです。

今回の事例も適正価格とは大きな差がありました。なぜ、そのようなことが起きたのかも解説していますので、オフィス移転を考えている方は参考にしてください。

 

賃借人の概要

賃借人 株式会社レッドクイーン
テナント 東京都港区 8階 264.32㎡/79.95坪

 

賃貸人の概要

賃貸人 日本土地建物株式会社
賃貸経営管理業務 三菱地所プロパティマネジメント株式会社
ビル管理運営 三菱地所プロパティマネジメント株式会社
設計指定業者 株式会社三菱地所設計
入居工事指定業者 戸田建設株式会社東京支店

老舗の総合不動産会社で、PM(賃貸経営管理業務)は2社おり、大手デベロッパーのPM部門を分社化した会社と、同じく大手デベロッパー系の、電気設備の設計監理業務に強い設計会社。また入居にあたっての指定業者は、中央ゼネコンとして多数の実績を持つ総合建設業者が務める。

 

実績

初回見積

16,550,000円

再見積

13,000,000円

合意金額

11,700,000円

査定額

11,500,000円

削減額

70,000,000円

削減率

37.8%

 

グレードの高いビルは入居時のB工事費用が高いのも当然?

グレードの高いビルは入居時のB工事費用が高いのも当然

株式会社レッドクイーンのオフィス移転は業務拡張が大きな理由です。株式会社レッドクイーンは来客も多く、地下鉄からそのままオフィスアクセスできる利便性と、ビルのグレード、景観など、働く環境の面からも総合的に判断してオフィス移転先を決定しました。

定期建物賃貸借契約書はきつい縛りがあることをよく理解していたつもりでしたが、入居にあたっての原状変更工事(B工事)の費用見積もりが1850万円とあまりの高額に驚きました。

PMの2社と、指定業者の担当者を交えて話し合いをしたところ、工事の一部をC工事扱いにしてもらえることになりました。

株式会社レッドクイーンが「これで工事費用を抑えられる」と思ったのもつかの間、工事費用は1650万円以下にはできないという指定業者の回答がありました。

困った株式会社レッドクイーンはインターネットから実績のある会社を探し、一般社団法人原状回復費・適正化協会と、その協会会員である株式会社スリーエー・コーポレーション(3AC)を見つけました。実績をきちんと明示しており、事前に成果物がわかる査定書(甲1号証)の説明の理由も納得のいくものであったことから、同社にサポートを依頼しました。

 

価格高騰の原因は?

削減

3ACの担当者が査定したところ、適正価格は1150万円でした。最初の見積もりと700万円も差があることになります。

賃貸人側が提示してきた見積もりが高価格だった原因は以下の2点でした。

インテリジェントビルのため、設備がハイスペックだったこと

ビル運営ルールによる二重指定

 

①の原因は、入居するビルが電気、空調、防災、その他設備を中央管理室で集中制御(セーブメーション)するタイプのビルだったため、データ書き替え、その他中央管理室のソフト工事が発生するので高額になっていました。設備がハイスペックであれば、快適な住環境となりますが、同時に上記のような費用が発生してしまう面もあるのです。

 

②の原因は少し複雑です。指定業者は決まっていますが、そこにPM2社がB工事設計監理ということでコストオンしてしまうのです。また、電気、空調、防災、その他設備は全てビルメンテナンス業者がおり、指定業者の下請けも全て指定されたものだったのです。

これは専門家でなければ気づきにくい点といえるでしょう。

 

早期円満合意のポイントは合理的なエビデンス 

株式会社レッドクイーンは、これから入居するので賃貸人との関係性を重視し、早期円満合意を目指すことにしました。運良く1200万円程度までいければ合意する意向でしたが、結果は1170万円での円満合意でした。株式会社レッドクイーンにとって、正直そこまで行けるとは思わなかったほどの大幅削減となったのです。

 

本件は、定期建物賃貸借契約書でも極めて厳しい原状変更、明け渡しに伴う原状回復業務の契約書でした。

東京オリンピックのインフラ工事で建設業市場は一変しており、優位な状況であることも事実です。このような状況下、労務費、材料費、管理費、会社利益を見える化し適正価格としてエビデンスを作成しました。

賃貸人側には、国交省指導の労務単価査定であることを伝え、PMの2社、指定業者の協力業者とのコスト調整を強くお願いした結果、ターゲットプライス以下の1170万円で早期円満合意が実現したのです。

 

 

レッドクイーン社からいただいたコメント

株式会社レッドクイーンの代表 Y氏
male

早期円満合意という厳しい条件下で、目標金額以下まで削減して頂き驚いています。やはりプロ中のプロだなあと思いました。本当にありがとうございました。今後も賃貸契約、建築工事など、専門性の高いことについては相談させて頂きたいと思います。今後とも宜しくお願い致します。

 

 

査定者の所見

協会会員査定員 萩原大巳

利便性が高く、ハイグレードなビルは、設備もハイスペックです。高度な技術が要求されるため、指定業者でガチガチに固められてしまっているケースも少なくありません。
しかし、だからといって適正価格でなくていいという理屈にはならないはずです。賃借人側も合理的なエビデンスをもとに価格交渉する余地があると、本案件でお分かりいただけたと思います。
入居時、退去時の工事で違和感を持ったり、「高いな」と感じたら、早めに専門家へ相談することが重要です。

原状回復費・適正化協会会員
株式会社スリーエー・コーポレーション
査定員 萩原大巳

お問合せはこちら

 

 

 

コメントは受け付けていません。