オフィス原状回復費に含まれている経年劣化の修繕費は削減可能?

オフィス移転時には、旧オフィスを原状回復する義務が生じます。

原状回復とは、店舗やオフィスを借りたとき(=入居時)の状態に戻すことを指しますが、通常利用で必ず発生するような損耗(通常損耗)や経年劣化なども、原状回復対象に入っている場合があります。

経年劣化は避けられないもの。それによって原状回復費が高額になってしまうのは困りものですね。

 

では、オフィスの原状回復において、経年劣化部分の修繕・修復費用の負担を軽減することは可能なのでしょうか?

答えは、可能です。

どうすれば費用削減が可能なのか、順を追って説明いたします。

経年劣化とは

 

 

経年劣化の定義は、「建物や車など、モノ(資産)の価値が時間の経過とともに減っていくこと」です。

また、年を経ることで劣化していく資産の取得費用を、耐用年数に応じて経費として計上していく会計処理のことを減価償却といいます。

一般的に壁紙やカーペットは6年、エアコンや照明器具は8年で減価償却されます。その期間が経てば、価値がゼロになるということです。

 

オフィスの場合、天井や床や出入り口のドアなどは貸主側の資産として減価償却をしています。年月とともにその資産価値はなくなっていきます。このため、借主側に新品に変えるための費用を負担させるのはおかしなことなのです。

しかしながら、入居時に契約書の特約事項欄に、経年劣化した設備についても新品に変える項目が入っていて、経年劣化部分も負担せざるを得なくなるケースが多いのが現状です。

 

ただし、仮に、新品に変える特約があったとしても、減価償却分の負担割合を考慮してその分の減額を交渉することは可能です。

交渉の結果、全面的な新品への入れ替えから部分的な修繕・修復工事に変えることができて、大幅に工事費用を削減できたケースもあります。

 

では、どうすれば原状回復費から経年劣化部分の修繕費を削減することができるのでしょうか?

 

原状回復費に経年劣化部分の修繕・修復費用は含まれるか?

 

 

経年劣化した設備の原状回復については、契約書の特約事項欄に記載されていれば含まれます。逆に記載がなければ基本的には含まれません

民間の原状回復に関するトラブル回避のための国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は「賃料」に含まれるとしました。

 

オフィスの原状回復も、基本的には民間の考え方と同じです。

つまり、通常であれば、経年劣化した設備の原状回復は、契約時の特約などが無い場合はオフィスを借りている間に発生する賃料の中からまかなわれるべきものなのです。ですから、仮に経年劣化の修復工事費用が含まれていれば、その費用を取り除くことが可能なはずです。

 

しかしながら、オフィスの場合、法人同士の契約なので、契約自由の原則から、両者がどのような契約を行っているかが優先されてしまいます賃貸借契約書の特約事項欄で、退去時に床や壁、天井を新しいものに替えることが記載されていると、それが認められます。

このため、オフィスの原状回復においては、経年劣化の修繕・修復工事の費用を借主が負担しているケースが多数あるのです。

 

なお、経年劣化の部分まで原状回復工事する必要があったとしても「入居時」の状態が基準となります。

例えば、空調設備などを入居時より良い製品にアップグレードすることは、原状回復とはいいません。

原状回復工事とは、全てのものを新品に取り換えることをいうのでなく、「オフィス入居時の原状に回復すること」を指すからです。

 

経年劣化部分の原状回復におけるトラブル防止策

 

 

借主側の交渉力が最も強いのは入居時です。

退去時のトラブルを防ぐには、入居時の契約段階で、原状回復はどこまでやるのか、経年劣化の部分をどのように扱うのかをできる限り細かく取り決めて、文書や図面で残しておくとよいです。

国土交通省が出している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)にある、入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト(例)は設備状況をチェックする際に参考になります。

 

現在既にオフィス移転を進めている場合には、できる限り早く専門企業に相談しましょう。

貸主との経年劣化費用削減の交渉には、設備の劣化状況の把握と経年劣化の基準に照らし合わせた経年劣化度の証明が必要です。

契約書、数十枚におよぶ図面を精査し、現地調査を行った上で目論見書としてまとめたものをベースに交渉を行わないと、貸主は納得してくれません。

このような作業をあなたが単独で行うことはかなり困難であるからです。

 

原状回復費削減の力強いパートナー

 

 

経年劣化費用の削減を含め、原状回復費のお悩みは、専門企業に任せるのが安心です。

 

 

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