オフィス移転を進めているご担当者であれば例外なく、できる限り、原状回復費を削減したいという気持ちだと思います。
では、どれぐらいの面積のオフィスであれば、原状回復費削減の大きなメリットを得られるのでしょうか?
小規模オフィスの場合は、削減額が大きくなることはないのでしょうか?
これらの疑問点について、原状回復費.comの経験・実績も踏まえながら以下でご説明いたします。
原状回復費の削減率と削減額

原状回復費の削減について考える場合、押さえておかなければならない指標に「削減率」と「削減額」があります。
この2つの指標は共に、大きければ大きいほど、借主側にメリットがあります。
オフィス面積の大小との関係は、大まかな図にするならば、以下のような感じです。
削減率 大 削減額 大 ⇒ オフィス面積 大 > オフィス面積 小
削減率 大 削減額 小 ⇒ オフィス面積 大 < オフィス面積 小
削減率 小 削減額 大 ⇒ オフィス面積 大 > オフィス面積 小
削減率 小 削減額 小 ⇒ オフィス面積 小 < オフィス面積 小
ただ、オフィス面積の大小よりも重要なのは、貸主側から提示された「原状回復費の初回の見積もり金額」です。
初回の見積もり金額が大きければ大きいほど、削減率も削減額も大きくなる可能性があるからです。
一方、少し意外かもしれませんが、貸主にとっては原状回復費の削減そのものについてはメリットもデメリットもなく、関心が低いです。
なぜなら、法人同士の場合は、契約書に記載している内容が優先されることから、原状回復費の削減に関しては契約書通りにしてほしいと希望するだけだからです。
原状回復費が削減されることによって直接影響を受けるのは工事会社です。
工事会社は貸主から委託を受けて動くため、貸主側ではありますが、利害関係の観点からは全く同じ立場というわけではありません。
貸主が本当に気にしているのは、次の借主にできる限り早く入居してもらい、家賃収入ができる限り滞りなく、切れ目なく入ってくることなのです。
この貸主と工事会社の立場の微妙な違いが、原状回復費の減額交渉を貸主と行う余地であり、減額を勝ち取る可能性がある部分なのです。
オフィスの規模で原状回復費の「削減率」は変わるのか

一般的には、借りているオフィス面積の大きさに比例して、オフィス移転に伴う原状回復費の見積もり金額は大きくなります。しかし、オフィス規模で「削減率」はほとんど変わりません。
このため、原状回復費の初回見積もり金額が大きければ大きいほど、「削減額」を大きくできる可能性が高く、それだけ取り戻せる金額も大きくなるというわけです。
※オフィス面積による原状回復費の相場については、以下の記事をご参照ください。
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オフィス原状回復費の相場はどれくらい?
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小規模オフィスの原状回復費の削減
オフィス規模が小さい企業様であっても、大幅な費用削減の可能性はあります。
そもそも原状回復費が高くなる要因には以下のようなものがあります。
a.本来借主の負担が不要な部分の費用が上乗せされている
b.工事の受注元の会社と実際に工事を行う会社が異なることによる中間マージンが費用に上乗せされている
c.工事が昼間ではなく夜間になってしまう
d.契約書に原状回復について借主に不利な事が明記されていて、借主が負担せざるを得ない状況になっている
上記のような項目のうち、適正ではないものが多ければ、自ずと減額できる可能性は高くなります。
特にaとdについては契約書の内容を精査して、現在のオフィスの状況をしっかり現場検証して、見積もり内容と照らし合わせた上で交渉すれば、減額の可能性は充分にあります。
また、居抜き退去などの方法によって、さらに大きく減額できる可能性もあります。