
原状回復をめぐって貸主側との話がこじれたときに頼りにしたいのが、法律の専門家である弁護士です。
しかし、実際に相談・依頼をする以前に、
- 弁護士費用はいくらぐらいかかるのか?
- 原状回復に詳しい弁護士をどうやって探すのか?
といった悩みを抱えてしまうことも多く、ハードルが高いと感じるかもしれません。
一方、御社がそのつもりではなくても、貸主側が原状回復トラブルを裁判所に持ち込むことも考えられます。いざというときには、ハードルが高いなどと言っている場合ではなくなってしまいます。
そこで、オフィスや店舗などの法人が原状回復を行うにあたって、トラブルになってしまった場合の弁護士費用のイメージや、決着手段としての調停・訴訟について、以下で説明いたします。
原状回復トラブルを弁護士に相談する際の費用は?
弁護士報酬については、平成16年に基準を定めた規定が廃止されたため、現在は弁護士が個々に報酬を定めており、価格にも幅があります。
このため、弁護士に相談・依頼したいと思っても、「原状回復費のトラブル」に対応するために必要な費用の目安がわからないため、弁護士の知り合いでもいない限り、気軽に相談することが難しいでしょう。
弁護士費用は、相談だけで1時間に1万円(30分で5千円)程度かかるところが多いです。
その他の諸費用につきましては、弁護士ドットコムの以下のページが参考になります。
また、日弁連が公開している資料の中に『中小企業のための弁護士費用の目安』という資料があります。
原状回復のみを対象にしたものではなく、諸問題全般に対してのものですが、これも参考になるかと思います。
以上、弁護士費用に関する2つの資料から総合して考えると、相談料+依頼料+成功報酬を含む弁護士費用は、案件にもよりますが、最低でも数十万円規模になります。
そうなると、仮に勝訴したとしても、勝ち取った金額から弁護士費用(相談料+依頼料+成功報酬)を引くと、割に合わないケースも多そうです。
オフィスや店舗の原状回復トラブルを決着させる法的手段
やむを得ず、原状回復トラブルが裁判に発展してしまった場合はどうなるのでしょうか?
決着をつける手段としては調停と訴訟の2つがあります。調停と訴訟の違いは以下の通りです。
○調停
問題の当事者同士が裁判所で裁判官や調停委員を交えて話し合い、お互いが合意することで問題の解決を目指す。原則として当事者同士が相対して話し合うことはなく、両者が別々に呼び出されて自分の主張を話す形になる。
○訴訟
裁判所でお互いの主張をぶつけあって判決によって決着をつける。訴状を裁判所に提出して、これが受理されると法廷が開かれ、判決が出てから2週間が経過するとその判決は確定して、強制執行ができる効力をもつことになる。
なお、調停の場合は、申込書の作成について裁判所の事務官に対応してもらえますし、調停の際も調停委員が助言をしてくれるため、弁護士などの専門家は必ずしも必要ありません。
一方、訴訟の場合は、貸主側に弁護士がついていると借主側にも弁護士が必要になります。その際には当然、弁護士費用がかかることになります。
オフィスや店舗の原状回復トラブルの相談先は
万一、原状回復に関するトラブルが生じてしまったら、どこに相談するのがベストなのでしょうか?
たしかに弁護士は頼りになりますが、いきなり弁護士を探して相談するのはやっぱりハードルが高いもの。信頼できてもう少し身近な相談先があると助かりますね。
そう考えると、トラブルと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、消費生活センターでしょうか。しかし、消費生活センターは個人が対象になるので、法人(オフィスや店舗など)には対応していません。
弁護士はハードルが高すぎるし、消費者生活センターには相談できない。それで、トラブルが起きた場合に、最初は貸主側と直接交渉しようとしたり、建設業者や建築事務所などに相談する人が多いようです。
しかし、相談先としてはあまり適していません。なぜなら、こういった相談先は「原状回復のトラブル」を専門にした事業展開をしているわけではないため、うまく交渉がまとまらないケースも多いからです。
ですから、オフィスや店舗などの法人の原状回復に関しては、トラブルが起きた場合の相談先が不明確なのです。
どうしたらいのでしょうか?オフィスや店舗などの法人には、適切な相談先はないのでしょうか?
そんなときこそ、「原状回復費削減」を専門にした企業を頼りにしてください。
専門企業に依頼すれば、トラブルなしで貸主側と交渉が可能になり、原状回復費の減額が実現します。原状回復に関するトラブルが起きた場合に、真っ先に相談したいのが原状回復費削減を専門とした企業なのです。
なお、こうした企業への相談は、実際にトラブルが発生してからではなく、オフィス移転が決定したらできる限り早い段階で相談するのがおすすめです。
専門企業であれば、貸主側との交渉を具体的な証拠(契約書を精査した上での現場調査とその報告書作成等を行う)を持って臨むため、初めから考えられる限りのトラブルが回避されますし(実際に弊社ではトラブルはこれまでゼロです)、まして裁判所に持ち込まれるようなこともありません。
万が一、裁判所に持ち込まれても「具体的な証拠」を持って貸主側と対峙しますので、借主側が不利になるケースはないといえるでしょう。
