総合生活文化企業「スターツコーポレートサービス株式会社」(以下、スターツ)は、ビルオーナーでもあり管理会社も指定業者もつとめる総合不動産デベロッパーである。スターツからご紹介いただいたIHIグループ茨城支店の原状回復協議の実例である。
結果は、驚愕の削減額271万円、削減率45%の円満合意となった。
日本を代表する総合重工業メーカーIHIは、働き方改革のため支店統廃合することとなり退去となった。賃貸人に解約通知を提出し、支店明渡しに伴い原状回復義務が発生した。しかし貸方基準図書、仕上表、回復方法が賃貸借契約書に具体的に記されてなく、「原状」未確定及び「原状回復特約」の曖昧さにまず困惑した。
後日、管理会社TKより高額な原状回復費の見積が提出されたため、賃借人は取引のある総合不動産会社スターツに相談し、原状回復適正査定を行っている一般社団法人RCAA協会会員である株式会社スリーエー・コーポレーション(以下、3AC)に原状回復コンサルを依頼した。
賃借人の概要
クライアント | 日本を代表する総合重工業メーカーIHI系列子会社 |
紹介者 | スターツコーポレートサービス株式会社(総合不動産管理会社) |
テナント | 茨城県土浦市Tビル |
賃貸借面積 | 1階:126.7㎡/38.3坪 2階:126㎡/38坪 合計:252.7㎡/76.3坪 |
用途 | 1階支店 ・2階事務所 |
賃貸人の概要
賃貸人 | 個人オーナーT |
管理会社 | TK建物管理株式会社 |
交渉の結果
※総額表示:千円単位(四捨五入)
初回見積金額 | 1階:350万円 2階:251万円 合計:601万円 |
合意金額(再々見積) | 330万円 |
削減額 | 271万円 |
削減率 | 45.1% |
原状回復査定額 | 330万円〜352万円 |
敷金(預託金) | 540万円 |
敷金返還額 | 269万円 |
原状回復義務を逸脱した見積の問題点とは
問題点
原状未確定、原状を立証する責任は賃貸人にある「特別損耗の回復方法と階段の原状回復に疑問」
- 本件の契約書には、借りた時の原状に回復すると記されていた。
- 原状回復の貸方基準図書、仕上表、回復方法が賃貸借契約書に添付されておらず、本件の原状回復見積りは、貸主側管理会社TKが不動産業者慣例に基づき、造作撤去の上床、壁の貼り替え、天井の全面塗装、諸設備の修繕補修及びクリーニングであるが通常損耗の負担については書かれていない。結論・借主の見解、本件の原状回復は特別損耗の修復、テナントが所有する造作を撤去し特別損耗を修繕修復する事諸設備の修繕クリーニングが原状回復義務である。
解決策
改正民法621条原状回復の定義、範囲の明文化が決めて!「敷金返還261万円」
通知書を作成し、代理人弁護士と技術アドバイザーからの主張は通常損耗の負担義務は借主にはなく、また階段の原状回復も借主にはない。従って査定書通り原状回復費は330万円が適正である。
代理人弁護士の宅建・建築の技術アドバイザーとして論点をまとめ、協議を実施した。330万円で合意となり、 結果271万円の削減率は、45.2%となった。敷金返還は、明渡し後速やかに原状回復費を敷金より差し引き261万円返還された。(※改正民法原状回復の明文化621条を考慮要件とした)
お客様の声
株式会社スリーエー・コーポレーションに依頼してから現地調査、助言者として協議に参加していただきました。さらに管理会社との面談、金額合意まで真摯に対応していただき、大変感謝しております。また、ここまで大幅に減額していただいたことに大変驚いております。
賃借人は損耗部分の修繕、収去のみで良いという説得力のある問題を指摘、筋の通った主張をし、納得のいく金額まで削減してくださいました。
今回、山田貴人氏に相談して、本当に良かったと思います。
また今後、原状回復査定の相談がありましたらご連絡させていただきます。この度は本当にありがとうございました。
(担当:A氏)
本件担当技術者
山田 貴人(Takahito Yamada)
一般社団法人RCAA協会会員
株式会社スリーエー・コーポレーション
- 原状回復・B工事査定員
- リサーチャー
- DX(デジタルトランスフォーメーション)担当
萩原 大巳 (Hiromi Hagiwara)
一般社団法人RCAA協会 理事長
【協会会員】株式会社スリーエー・コーポレーション 代表取締役CEO
- ワークプレイスストラテジスト
- ファシリティプロジェクトマネージャー
弁護士 野間 啓 (Kei Noma)
一般社団法人RCAA協会 法務担当
東京山手法律事務所 代表弁護士
原状回復の紛争前解決、建築施工不良訴訟、敷金、保証金返還訴訟など、建築、不動産のトラブル解決に100件を超える実績がある。
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