オフィス・店舗の原状回復トラブル事例10選

オフィスや店舗から退去する際の原状回復は、トラブルが生じやすい部分です。トラブルから裁判に至ってしまうことも少なくありません。

そこで、オフィス・店舗の原状回復に関して、過去に実際に生じたトラブルの事例を紹介します。

オフィス移転を決めたものの、提示された原状回復費の見積もりに不満や疑問をお持ちの方や、これから移転を進めていくにあたって情報収集されている方などに、心構えとして参考にしていただければと思います。

事例1:貸店舗の原状回復に関するトラブル

貸店舗を退去するにあたり、原状回復に関して大家と交渉を行っている。大家との交渉で、「最初の見積もり金額から少し値引きをするから、80万円で手を打たないか」という提案を受けた。

店舗はスケルトン状態で借りた。入居時に250万円ほどの工事費用がかかっているので、原状回復費はあまりかけたくないと思っている。

値引きという提案自体は好意的に思えるが、そもそも相手の提案している金額が適切なのかどうかわからない。これに乗るべきなのか、それとも値引きした金額でも相場より高いのか。居抜きでの退去も考えている。

★★★

借主側は原状回復費の相場を知らないことが多いため、貸主との交渉でも、提示されている金額が正しいのかどうかわからず、返答に困ってしまったり、トラブルになってしまったりするケースが少なくありません。

 

※以下の記事も参考にしてみてください。

オフィス原状回復費の相場はどれくらい?

居抜き退去でオフィス原状回復費を大幅に削減!

 

事例2:原状回復工事をする時間帯でのトラブル

オフィスを移転するため、原状回復工事の見積もりを確認したところ、工事費用が思っていたものよりずいぶん高い。

貸主に確認すると、夜間に工事を行うため、工事費用が割高になっていると聞かされた。

★★★

工事の時間帯は、オフィス・店舗の原状回復のトラブルでよくあるものの1つです。

夜間工事は日中での工事よりも費用が割高になりがちです。その結果、貸主が高い工事費用を請求してきたとトラブルになることがあるわけです。

 

事例3:備品の原状回復についてのトラブル

オフィス退去直前に蛍光灯を新品に交換したばかりだが、すべて交換が必要だと言われ、全額費用負担を求められた

取り換えたばかりにもかかわらず、さらに費用を負担して交換しなければならないのか、困惑している。

★★★

貸主から新品にするように指示があった、備品を新品に換えるためのお金が欲しい、といった請求でトラブルが多発しています。どこまで借主が負担するのが適正なのか、はっきり知りたい方も多いでしょう。

 

事例4:店舗退去で提示された原状回復費に関するトラブル

2年前、居抜きでお店を譲り受けた。その際、敷金95万円を納めた。

今年退去することになって、貸主側から原状回復費の見積もりを出してもらったが、前の借主が作ったカウンターや、契約以前からある「外壁の穴」も原状回復費用に見積もられていた。

入居時に説明もなければ契約書にそういった記載もない。納得がいかず交渉しようと貸主に話をしたが「法的手段に出る」と言って取り合ってもらえない。なんとかならないか?

★★★

なぜ前の借主の作ったものや前からあったものを負担しなければならないのか?法的手段を持ち出されると驚いてしまいますよね。話し合いも取りあってもらえない状況というのがまた難しいところです。

 

※「これも負担しないといけないの?」というケース、実は少なくありません。以下の記事もご覧ください。

オフィス原状回復費、高いと思っていませんか?

 

事例5:クロスやカーペットの原状回復に関するトラブル

10年前に借りた事務所を解約し、貸主と退去の立会いを行った。

貸主側から「クロスとカーペットは原状回復する必要があるので、それぞれ20万円ずつ合計40万円、保証金から引きます」と言われた。

解約引きは60万と決まっていたので、「あとは返してくれるのではないのか?」と反論したところ、貸主から「半額にまけるから、20万円だけ負担してほしい」と打診を受けた。

こちらが、「最近の裁判では、解約引き以外の請求は却下されていて、判例も多く出ていると思うが」と尋ねたところ、貸主は「あれは居住用の話で、事務所は適用外だ」と言われた。この20万円まで負担しなければならないのか?

★★★

当初思っていたのとは違う請求があると驚いてしまいますね。カーペットやクロス代は負担しなければならないのか?居住用のルールと事務所用のルールはどの程度違うのか?借主は法律や不動産について詳しくないことが多いので、迷ってしまうだろうと思います。

 

※通常の使用による損耗や経年劣化については、こちらも参考にしてください。

オフィス原状回復費に含まれている経年劣化の修繕費は削減可能?

 

事例6:スケルトン状態で借りたオフィスの原状回復トラブル

オフィスビルから退去が決まり、原状回復について貸主と協議中だが、折り合いがついていない。

スケルトン状態で借りたが、貸主は次の貸し出しのために、値段が高いスケルトンではなく、それより安く済む床、壁、天井の貼りなおしでの返却でもよいと言っている。

スケルトン返却が条件なら納得できるが、「次の貸し出しのため」ということなら、こちらとしては床壁工事の費用の半分位は家主に負担してほしいと考えている。

貸主からは相談者の要望は一切断られているので、何とかこちらの言い分を分かってもらう手段はないものか?

★★★

費用が安くなるのはありがたいですが、「次の貸し出しのために」という言葉が引っかかりますね。既に交渉がシャットアウトされているというのも困りものです。

 

事例7:原状回復におけるスケルトン引渡しに関するトラブル

オフィス移転を決めて契約解除の旨を通知した。契約書に記載のある「スケルトン引渡し」に向けて施工内容を調整した。

その後、引渡しの日に、今の状態では原状回復になっていないため、貸主が満足できるような状態にして物件を引き渡すようにとの通達を受けた。契約書上ではスケルトン引渡しと記載しているにも関わらず、契約する前とまったく同じ状況に原状回復をして引渡しをしろと要求を受けている。

貸主はコンセントやスイッチ用のブランクキャップ、水栓器具、外壁のエアコンビス穴、室外機用のスリーブ穴の埋め込みなど、契約時の状況に全て戻すようにと要求している。ここまでしなければいけないものなのか?

★★★

実際にどこまで負担すべきなのか?専門家の意見を聞きながら、しっかりとした根拠(法律+契約書の精査+現場調査)に基づいて交渉する必要がありそうです。

 

事例8:オフィスビルの原状回復に関するトラブル

オフィス移転することになり、退去するビルの指定内装業者から原状回復の見積書が届いた。
また、移転先の内装を依頼した業者に、退去するビルの原状回復の相談をしてみたところ、「原状回復費は全部でこのぐらいではないか」と、参考までに大まかな見積もりを出してもらった。

移転先の内装業者はとても良心的な会社だったので、実際の見積もりがそれより高くなることは予想していたが、退去するビルの指定内装業者からもらった見積もりの金額が、当初考えていたものよりもあまりに高額で驚いている。
見積もり内容がどの程度適正な価格なのか、また、指定内装業者相手にどの程度まで金額の交渉が可能なのかを教えてほしい。

★★★

見積もり額が想像よりも高額だったとのこと。実際のところは見積もりを拝見しないとわかりませんが、指定内装業者以外から見積もりを取ることはリスクも伴います。

 

※以下の記事も参考にしてください。

原状回復費の相見積もりを取るのは危険!?

 

事例9:賃貸オフィス退去における原状回復費のトラブル

10年間賃貸していたオフィスから、移転のため退去することになった。契約書に退去時に借主負担で、クロス、床を新調する旨が明記されており、クロスやカーペットの原状回復費として100万円の請求が来ているが、以下の3点を根拠として、原状回復費用を貸主と折半にできないかと考えている。

① 国土交通省のガイドラインでは、通常使用による経年劣化部分の修繕は貸主の負担
② クロス、床(タイルカーペット)は6年間で減価償却となるはずで、現在の価値は0円のはず
③ 退去時に借主負担でクロス、床を新調することは、重要事項として説明を受けていない

貸主は変わらず全額負担を求めてきているが、仮に法的手段を取る場合、どのような手段があるのか?こちらの要求が通る確率は?

★★★

契約書には記載があるが、重要事項としては説明を受けておらず、両社が一致していないということでしょうか。いきなり法的手段に持ちこもうとするよりも、原状回復の専門企業に相談してみるのもよいかもしれません。

 

事例10:保証金とほぼ同額の原状回復費を請求されるトラブル

オフィス退去を決めたのだが、原状回復費用の見積もりが保証金とほぼ同額になっている
オフィス入居時に、300万弱の保証金を納めていた。契約書上、2ヶ月分の家賃は保証金から引かれることになっていたため、230万程度の残額と計算していた。しかし、工事業者がオフィスを見にきて、その後出てきた見積もりは、原状回復200万、電球交換30万。保証金が100%償却される見積もりが出てきた。
ネットでいろいろ調べても高すぎるとしか思えない。工事業者は指定されていて、相見積もりを取ることもできない。疑問と憤りを感じるのだが、どうしたらよいのか。

★★★

敷金・保証金とほぼ同額の見積もりが出てくるというのは、不自然さを感じますね。工事業者が指定されている中で、どう対処したらよいのか悩ましいところでしょう。

 

※こちらの記事にも同様のトラブルについて書きました。

オフィスの敷金・保証金が返還されないのは、高額な原状回復費のせい!?

 

原状回復のトラブル解決の方法とは?

トラブルになると、すぐ裁判などの法的手段が浮かんでしまうかもしれませんが、そのような事態はできるだけ避けたいものでしょう。とはいえ、既に貸主との関係がこじれた状態になっていると、直接話し合いや交渉を行うことはほぼ不可能と考えられます。

原状回復に特化した専門企業などに相談すれば、原状回復に関する専門知識を持ったメンバーが第三者として代わりに対応可能です。

 

 

 

コメントは受け付けていません。