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中小規模99坪以下 原状回復費減額事例

世界の投資会社から見たら日本の不動産はバーゲンセール!外資にオーナーチェンジの原状回復とは?

流動化が進む不動産は、度重なるオーナーの変更に見舞われます。

オーナー企業やAM(資産管理業務)PM(賃貸経営管理業務)BM(ビル管理運営)の連携、情報引き継ぎが杜撰な場合、回復すべき“原状”が分からなくなってしまうことがあります。

今回ご紹介するケースでは、ビルの全面改修が行われており、原状未確定状態にも関わらず推測で原状回復工事が見積もられていました。

エビデンス不在の高額原状回復工事が行われかねなかった事例です。

賃借人の概要

世界の投資会社から見たら日本の不動産はバーゲンセール!外資にオーナーチェンジの原状回復とは?
賃借人(クライアント)医療法人社団 桜緑会
物件名大阪府大阪市 某キャピタルウエスト
面積262.30㎡/79.35坪

賃貸人の概要

賃貸人K不動産投資法人
建物総合管理K建物総合管理株式会社
原状回復指定業者同上

賃貸人のK不動産投資法人は東京・大阪にビルを所有する不動産投資法人である。K建物総合管理株式会社は、スーパーゼネコンK建設グループであり、BM(建物管理)を専門とするBM会社であり、建築請負会社である。

実績

初回見積金額14,040,000円
再見積金額10,683,000円
原状回復合意金額7,020,000円
査定額7,020,000~7,440,000円
削減額7,020,000円
削減率50%
敷金(預託金)19,850,000円
敷金返還額(敷引き)12,830,000円

(全て総額表示)

※類似の実例動画はコチラをどうぞ

オーナー変更、ビル改修…原状回復の契約条項はどうなってしまうの? 

オーナー変更、ビル改修…原状回復の契約条項はどうなってしまうの?

医療法人桜緑会は有名医療機関とのネットワークを持つクリニックグループです。しかし各クリニックの経営を見直し、選択と集中を進めていくなかで、大阪市にあるさくらクリニックについては、賃貸借契約の更新をしないという経営判断に至りました。

退去にあたっては原状回復をしなければいけません。桜緑会の担当者が指定業者に見積もりを依頼したところ1,400万円(初回見積14,040,000円:総額表示)という高額なものが出されました。

実は、さくらクリニックの入居していたビルは少し特殊な事情を抱えていました。

それは、過去にオーナーが変わっていることに加えて、全面改修がされており、契約書に定められている“原状(入居時の状態)”に戻すことが現実的でないという問題です。

桜緑会の担当者は、見積もり内容が正しいのか、契約内容に沿っているのか悩み、RCAA協会会員の原状回復査定で多大な実績を有する3A Corporation(3AC)に相談しました。

原状未確定状態を解決し再見積もりへ 

本件業務を受託した3ACは、賃貸人とBM・指定業者になっているゼネコンに対し、原状回復図書、仕上表、施工体制台帳、工程表の開示要求を医療法人桜緑会とともに行いました。しかし、賃貸人もBM・指定業者になっているゼネコンも開示できる資料がなく原状の確定ができませんでした

ビル運営は、多くの場合AM、PM、BMと縦割り組織になっており、クロスファンクションチームでビル運営しているわけではありません。したがって、本件のように引継ぎがうまくできていない物件の場合、原状の確定がされず図書の存在すら確認できないという状況が発生してしまうのです。

そこでビルオーナー側にも協力してもらい、3ACの専門家が復旧図書を作成しました。そのうえで再度査定を実施。すると702万円~744万円が適正価格であるという結果でした。

最初の見積もりはなんだったのか?驚きの決着価格 

オーナー側との協議によって、建築部分は桜緑会の推薦業者が施工することが認められ、電気やその他設備はメンテナンスの関係もあるため指定業者であるゼネコンが実施するということになりました。各費用は以下の通りです。

建築工事4,968,000円
電気その他設備工事2,052,000円
合計7,020,000円
削減額50%

(全て総額表示)

なんと、初回の見積もり1,404万円の半額になりました。桜緑会の担当者が協会会員である3ACに相談しなかったらと思うとゾッとする話です。

クライアントからいただいたコメント

協会会員の3ACスタッフの皆様に感服いたしました。本社は東京ですので、今後とも出退店の際はご相談させてください。本当にありがとうございました。末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。

(桜緑会の担当者 M様)

査定者の所見

萩原 大巳

現在は不動産も金融商品の一つとなり、証券化や不動産投資法人(ファンド物件)、信託物件にするなど、不動産の流動化が一般的になってきています。そして円安の現在、世界の投資家からみたら「安い日本、土地も株も会社も」そんな社会情勢です。
賃貸人(オーナー側)は、経済合理性のもと、次のテナントに選んでもらえる改修工事を実施したいと考えています。誰だって綺麗で快適な物件に入居したいと思うでしょうから、その考え自体は理解できます。
問題は、賃貸人(テナント側)に宅地建物取引業法、建築基準法、消防法、ビル管理法まで分かる専門家がいないということです。このため、情報格差によって賃貸人側の主張通りの工事が行われてしまいやすくなっています。この工事は、「原状回復という名の改修工事」となってしまうケースが珍しくありません。

建築、設備の基準は、すべて図書です。現地を少し見ただけで賃貸借契約書の熟読もせず、見積書を作成する業者も少なくありません。こうした業者が争点をより複雑にしています。
すべては、エビデンス(証)です。日本は法治国家ですので、エビデンスによって原状回復の問題は決着するのです。

一般社団法人RCAA協会及び協会会員3A Corporationでは、専門家が原状回復適正査定によりエビデンスを作成し、原状回復の削減をサポートしています。

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萩原大巳

萩原 大巳(はぎわら ひろみ)

(一社)RCAA協会理事
(株)スリーエー・コーポレーション 代表取締役CEO

・ワークプレイスストラテジスト

・ファシリティマネージャー

「原状回復・B工事」適正査定のパイオニア。現在、オフィス、店舗のプロジェクトマネージャーとして原状回復、B工事適正査定の他、敷金返還トラブル、資産除去債務について監査法人主催のセミナーでスピーカーを務める。

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